インタビュー
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ていねいな説明を心がけています
病気の原因はさまざまですが、日常生活をどう送っているかがとても大切です。一人ひとりへの説明は少し長くなるのですが、ゆっくりとていねいに説明し、日常生活に関するアドバイスもするようにしています。生活改善によって病気にならない体になってほしいと思っています。
先生は日本医学放射線学会認定の放射線科専門医ということですが、どのような役割でしょうか?
いわゆるセカンドオピニオンのような役割ができる、というところだと思います。レントゲンや超音波検査などの検査結果をみて、患者さまがどのような病気なのか、専門的な視点から確認することができます。
ただ、そもそも放射線科の医師が何をしているのか、一般の方は知らないかもしれませんね。簡単にいえば、医療の現場における、病気の診断をおこなう担当者です。私は放射線専門医の知識を活かし、検査・診断から治療まで幅広く行っておりますが、たとえば大きな病院だと、治療そのものはおこなわず、病気の診断だけを専門におこなう医師がいることがあります。
日本医学放射線学会認定の放射線科専門医として、診断には自信をもって取り組んでいます。症状が長引いて不安なときなどは、相談にいらしてください。
放射線科を専門にやろうと思ったきっかけは何ですか?何かエピソード等があれば教えてください。
はじめのきっかけは、医療の基礎をおさえておきたいと思ったことでした。たとえばレントゲンは、今ではどのクリニックにも置いてありますよね。内科でも外科でも必要な機器であるわけです。なんといっても、患者さまが何の病気がわからければ話になりません。だから、まずはそれを学びたいと考えました。
そうして経験をつんでいくうちに、検査画像から病気を診断すること、いわゆる画像診断の奥深さに気づいてきました。実は、内科や外科にうつりたいと思った時期もあったんですが、「放射線科の医師として自分はまだまだだ」と思う部分もあったんですね。それで最終的には「この世界で生きるかな」と。診断をしっかりとおこなうことは、医療において、どこにいっても必要なことですから。
検査機器などの機械を操作されるのが好きとお伺いしたのですが、何か理由があるのですか?
検査機器を使って病気を直接治療することが可能であり、放射線科でしか治せない領域がたくさんあったことが多々あり、やりがいを感じ継続してこの仕事を続けています。ちなみに子どものころ、プラモデルとかが好きでよくつくりました。それで今も検査機器にさわったりするのは、わりと好きですかね。もともと放射線科に向いている性格だったのかもしれません。
検診は全般的にされているとのことですが、その中でも特にどのような検診が多いですか?
自治体の補助がでる健診が多いですね。一般的な住民健診や、生活習慣病をみつけるための特定健診、それにがん検診です。当院では肺がんと胃がんと大腸がんの検診に対応しています。
検査というのは、実はなかなかむずかしいもので、主に三つの技術が必要になると考えています。それは、医師としての診断技術、検査機器を管理する技術、検査を正しくおこなう技術の三つです。検査をおこなう際は、こうした点に常に注意をはらい、自信をもって実施できる体制を整えるようにしております。
検診で病気が見つかることが当然あると思いますが、どのような病気が多いですか?
生活習慣病の治療で大事なのは、まず食生活を変えてもらうことです。それに加えて、適度な運動、そして薬によって治療を進めていきます。薬については、食事と運動だけでは検査数値が改善できなかった場合に使うのが基本です。逆に言えば、生活習慣の改善で数値のコントロールができれば、薬を減らせる可能性があります。患者さまには、こうした治療方法の使い分けについても説明しています。薬を減らすという目標を、生活改善のモチベーションにしてもらうこともありますね。生活習慣を改善してもらう際には、できるだけ具体的な取り組み方法をお伝えするようにしています。たとえば食生活の場合、カロリーのとりすぎが問題ならば、「一食、ごはんをパンに変えるとこれだけカロリーが減らせる」というような、メニュー変更のパターンを覚えてもらうようにしています。こうしたパターンをたくさん用意しておけば、毎日おなじ食事の繰り返しにはなりませんから、治療をつづけやすいかと思います。
患者さまへの診察や説明において、どのようなことを心がけていますか?
医師としては、「患者さまに正直に話してもらう」ということがすごく大事なんです。なので、そのためにどうするか、ということはいつも考えています。たとえば、何か持病があるのにそれを教えてもらえなければ、薬の副作用が起きてしまったりするわけです。治療のためにとても重要なことなので、「なぜ正直に話してもらわないと困るのか」ということを過去の事例もお伝えしながら説明しています。
あとは、日常生活の注意点についても、細かく説明するようにしています。薬を出したとしても、病気の原因になるような生活をつづけていたら、治療はむずかしくなってしまうので。ですから、むしろ薬を処方することよりも、そういう生活上のアドバイスをお伝えすることのほうが、重要といっていいくらいかもしれません。その分、一人あたりの診察時間はかかってしまうんですけどね。それでも、やっぱり大事なことなので。
日常生活において、注意することや気にした方が良いこと等のアドバイスをぜひください。
(30-40代のサラリーマンの場合)
やっぱり休養ですね。休養と栄養、これはやらなきゃだめです。あとは睡眠も大事です。私は、毎日7時間くらいは眠ったほうがいいと思っています。食生活が乱れたりストレスがつづいたりすると、将来、健康診断でひっかかってしまう確率があがってしまうと思います。
(子持ち主婦等の場合)
子どもには、バランスのよい食事を食べさせてあげてください。小さなお子さまの場合は、離乳食をあげる時期とかつくり方とか、聞きに来てもらえたらと思います。アレルギーとの関係など、なかなかむずかしいところがあるので。